兼用人生。

　なんだかフラフラ生きているのが、
端から見ていても一目瞭然なのか、
今日も勧誘されたよ、
俺から何を奪いたいんだ貴様等。
ぜんまゐさん、ダイブ攻撃的。

　手相を占う勉強してるってぇいうから、
素直に協力したんらよ。
そりゃあたしゃ馬鹿だよ、
お人好しというより世間知らずだよ。
で、見てもらってたら
「人生最大の転換期です!
これ逃すと勿体無いですよ!!」
とか言い出すし、
一人増えるし、
なんだか“センセイ”とかいうのに
連絡しはじめるし、
「一度センセイに見てもらいましょう?
もっといいアドバイスもらえますよ。」
3日以内?無理っす、バイトです。
バイト抜けろ?え、いやです。
え?6000円って金とんのかよ?！
センセイんとこで10万で
講習受けろって?
え?何ですか?なんでそうなるんですか?
「けどね、センセイの言ってることは
すごぉく当たるの。
あたしも転換期でセンセイんとこ
通った人間でね・・・」
あれ、この人達日本語わかんないのかな。
どうしよう、目がマジで
すんげぇ恐いんだけど!!!!
すんげぇ逃げたい!!
けど囲まれてる!!!!!
恐過ぎ!!
「あの、とりあえず今は無理です…」
「あっそうだよね、無理だよね。
じゃあ連絡先教えてくれる?」
（暗転）
・・・・ケータイ番号教えてしまった。
コレで2回目だ（馬鹿の骨頂。
　帰り際、
「あっ、あとねセンセイがね、
親とか友達とかには
転換期のことは言わない方がいいって。
言うと運が逃げちゃうって言ってたよ。」
早速、友達に連絡しまして
「おばかばかばかばか」
と罵られましたが。
だって恐かったんだよ。
あいつマジだよ。
あいつマジでセンセイ信じてるよ。
　新手の霊感商法をみました。
それにしては胡散臭さがスゴイです。
今の自分に満足されてませんよね?って
満足したら死ぬんだよ、あたしゃ。
あ、逆。死ぬ時満足すんだよ。
何故手相を見るのに三、四時間も
拘束されるんだ?
何故誰にも相談してはいけないんだ?
何故幸せになるアドバイスを
会うのも初めての人間に委ねるんだ?
手相調べたけど、転換期なんてねぇよ。
つぅか、幸せになりたいダケなんでしょ?
・・・・・幸せだよ、馬鹿。

　やはりタチ悪いな。
臨時執行部で委員長様様と
企画局長様様が、まぁた陰口叩きはじめて
何が厭って同意を求めることな。
てめぇらダケでやってくれよ。
勘弁してくれよ、
あたしゃそんなにわかりやすく不幸か。

　マブ子の働く本屋に行って
大島弓子のマンガまた買って、
家に帰って愚痴の電話をK子にして
K子の愚痴を聞いて、　
マンガ読んで、雑誌読んだ。
ちょっとスッキリした。
そんであたしのプリクラを
“幸せ呼び”に使用する奇特な
あかねちゃんとK子と
明日の夕方会う約束をした。

　死が完璧な着地点だとしたら、
人間の完成形だとしたら
そこへ達する時に「それなり」だったらいい。
あたしは何時でも幸せで
あたしは何時でも不幸なのだ。
ただ目の前が過去になる。
その目の前を必死に泳ぎ切る。
誰の手も借りない。
そこが人の海だからで、
それでたまたま荒波だったり、
たまたまあたしを優しく包んだり、
そんなもんだ。
あたしは孤独だ。
けど、それも悪くないでしょう。

　時間をやり過ごすのに没頭する。